TPP参加で原産地・遺伝子組み換え食品の表示義務が消える?

 絶対これはあるだろうと思っていたが、新聞でも取り上げられているところをみると、いよいよ現実味を帯びてきたという事か。

TPPがわからない 食品原産地が表示されなくなる危機
http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20111113/1321190999
優等生も学級の罰は免れない~TPPの遺伝子組み換え食品義務表示論議 | FOOCOM.NET
http://rptechsakurai.blog136.fc2.com/blog-entry-274.html
http://bluegreen-iza.iza.ne.jp/blog/entry/1872965/

 遺伝子組み換え食品についての議論はひとまず置いておくとして、この問題は消費者が商品を選択出来なくなる(商品を選択する基準を失う)事にある。
 例えば、遺伝子組み換えか否かの表示があれば、それを基に消費者は自分の求める商品を買う事が出来る。表示そのものは、言わば商品の仕様を表しているに過ぎず、それを見て買うかどうかを決めるのは消費者である。尤も、この表示すらも日本では、5%未満の混入であれば非遺伝子組み換えの表示が可能とか、偽装表示の問題とか、そもそも加工食品や外食産業では表示義務が無い等、あまり徹底されていはいない状態だが、それでも無いよりはましと言ったところだろう。

 仮に表示義務が無くなったとしても、表示そのものが禁止されなければまだ救いがある。元々気にしない人は表示など無くても買うだろうが、気にする人は表示のある商品を買えばよいだけである。これである程度の人が表示が無くても買ってくれれば良いのだが、表示の無いものが売れないとなれば、表示そのものを禁止する事になるかも知れない。そうなると、一体何を基準に商品を選べば良いのだろうか。
 産地や遺伝子組み換えなんて気にしなければ良いのかもしれないが、それならばBSEやら遺伝子組み換えの是非など問題にならなかった筈だ。しかし、実際にはそれを気にする人が居る。そして、(メディアに踊らされているだけとは言え)日本にはそういう人が結構な数居る。国民の大半がそう、とまでは言えるかは判らないが、表示を無くす事は消費者の選択の自由を奪う事であり、国民の知る権利を蔑ろにしているとも言える。国家としては、是非とも国民の権利を守ってもらいたいものである。